界面活性剤の力
界面活性剤とは、物質の境である面=表面=界面に働き、その性質を変化させる物質の総称です。代表的な例えが油と水です。
混じり合わない双方の間には界面がありますが、そこに働き、その性質を変えて混じり合わせるのが界面活性剤なのです。
界面活性剤の働き
界面活性剤は1つの分子の中に水に馴染み易い「親水性」と、油に馴染み易い「親油性」の2つを持つ構造で、その構造が汚れを落とす“洗浄”の働きをします。
界面活性剤と言うと化学的な感じがしますが、自然界にも沢山存在しています。
卵黄レシチンや大豆レシチン、タンパク質の一種であるカゼイン等は天然由来の界面活性剤です。
身の回りで幅広く活用されている界面活性剤とはどんな物なのでしょうか。
界面活性剤の3つの作用
界面活性剤には3つの作用があります。
浸透作用
物質の中に別の物質を染み込ませる作用で、水を弾く物質に界面活性剤を加えれば水が染み込む様になります。
乳化作用
水と油が混じり合う作用で、マヨネーズと牛乳が有名ですね。
マヨネーズは卵(卵黄レシチン)、牛乳はタンパク質(カゼイン)が界面活性剤の働きをして、水と油(脂肪分)を結び付けて“乳化”させているのです。
食品に使われている界面活性剤を「乳化剤」と呼ぶ所以でもあります。
分散作用
水に浮いて溶けにくい粉末の様な物質を、水中に分散させる作用です。
複数の色の粒子を混ぜ合わせて作るインク等の商品に使われています。
何に使われているのか
石鹸や洗剤
「天然成分だけの純石鹸」等と表示されている石鹸もありますが、これは“天然由来の成分である界面活性剤”を使って作られています。
食器等についた汚れは、まずその表面に界面活性剤が付着して、汚れと食器類の間に入り込み汚れを取り囲みます。
汚れを包み込んだ上で細かな粒々にして水に溶かし(乳化)、汚れは流れていくのです。
上記の3つの作用が上手く働いて汚れを落としているのですね。
皮脂や食用油の汚れは、界面活性剤の力がないと落とせないと言えるのではないでしょうか。
化粧品
化粧品が肌を滑らかに伸び浸透するのは、界面活性剤の働きでもあります。
食品
「乳化剤」と表示されている事が多く、舌触りを滑らかにしているのも界面活性剤です。
アイスクリームやドレッシング、焼肉のたれ等にも使われています。
染料
布を染める染料やインクも、上記の作用が働いて様々な色を発色させたり、布に色を付けたりさせています。
界面活性剤は身近な存在
本来は混じり合わない物質を混ぜ合わせ、汚れを落とす効果もある界面活性剤は食品から日用品、医薬品等様々な分野で活用されており、私達の生活を豊かな物にしてくれている“縁の下の力持ち”と言えるのではないでしょうか。
監修者:一般社団法人日本エアコンクリーニング協会講師 佐藤幸恵
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